街短歌物語

短歌と物語です

ユリ〜ヒガンバナ〜街短歌物語〜

メイ子

マルタゴン

ハイブリッドに

クルマユリ

円に並ぶ葉

見たことがない


オーレリアン

ハイブリッドの

濃い黄色

写真の本も

いまはもうない


アマリリス

ハブランサスに

ロドフィアラ

みんな似ている

キツネノカミソリ


遠い花

青アマリリスは

スマートフォン

道端に咲く

ヒガンバナ見る

球根人間クロコスミア〜街短歌物語〜

メイ子

彼はもともと

好きで球根植物を

栽培していたが


ある朝

鏡の前で

自分自身が球根植物に

なってしまった感覚を

持った。


「どうしよう…きょうも休めないし」。

彼はいつもどおり出社した…


しかし誰も彼をおかしいとか

言ってこない。


「思い込みかな」

と思っていたら


「頭の上に咲いてるのは

チューリップ?」

と同僚が笑いながら聞いてきた。


「ああ、クロコスミアです」。


〜サフランは

 休眠中の

 雨上がり

 ぜんぜん似てない

 サフランモドキ〜